前頭側頭型認知症とは

認知症にはいくつか種類がありますが、母が診断されるまでこの認知症は知りませんでした。
認知症=アルツハイマーと連想する人も多いかと思います。

前頭葉や側頭葉が委縮して起こる認知症

50~60代の若い年齢で発症するケースがあり、アルツハイマーと違って認知の欠如はみられません。

前頭葉・・・感情をコントロールし、理性的な行動ができるようにする。生きる意欲をわかせる場所
側頭葉・・・言葉を理解したり、記憶する場所

記憶の欠如はみられませんが、常識はずれな行動をしたり喜怒哀楽がなくなったりします。
前頭側頭型認知症の方の中には、万引きをしてしまう人もいるようです。
精神疾患と間違えられやすいため、私の母のように診断が出るには数年を要することも多いようです。

前頭側頭型認知症の特徴

  • 同じ行動を繰り返す

母の場合は、毎日呪文のように同じような言葉を話します。
父が亡くなってからは「お父さん 〇△※□」とよくわからない言葉を発します。
酷い時は何時間も話し続けます。
また、誰かわからない人の名前を発します。

また、実際行くわけではないのに「トイレに行ってくるわ」と数分おきに立ち上がっては歩き出します。
→歩けなくなりましたが、相変わらず「トイレに行きたい」と言い続けています。

  • 異常な食行動

甘いものを欲しがる傾向があるようです。
母も毎日のように「甘いものはないのか?」とずっとうなっています。
調子の悪い時は、子供用にとりわけているお皿に手を伸ばし、手でむしゃむしゃと食べてしまいます。
味はわかっていないように思えます。
→胃ろうのためなくなりましたが、飴が欲しいと言い続けています。

  • 集中力や自発性がなくなる

こちらから話をしていても、じっと聞くことができません。
話の最中でもいきなり立ち上がって歩き出してしまいます。
食事の最中でも、立ち上がることが増えました。
→口からの食事がなくなり、歩けなくなったので今はありません。

興味を持ってくれることがなく、日中すごく困っています。
好きだったものを与えてもすぐ飽きてしまいますし、すぐ寝たがります。
テレビをじっと見ることもできません。

また、疑問形で話しかけると「知らん。わからん。」と即答します。
暫くたって答えてくれることもありますが、第一声は「知らん。わからん。」です。

  • オウム返しをする

母の場合は言葉のオウム返しが多いです。
こちらの話した言葉をそのまま返してきます。

 

この病気の最大の特徴は以前の人格と変わってしまうことです。
本当に別人になります。
私たち家族の一番辛いところがここです。

母は誰よりも弱い立場の人のことを考え、よく笑う人でした。
本当に正反対になりました。
人を傷つけることを平気で言いますし、笑顔は一切ありません。
顔はずっと無表情で変わることはありません。また暴力もあります。

2017/04/15